公開日: 更新日: 日本酒を知ろう

日本酒でふっくら・おいしいご飯を炊こう!日本酒を使ったご飯の炊き方

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炊かれたお米
飲むだけではなく、料理酒としても活躍する「日本酒」。炊飯時に日本酒をちょい足しすると、ご飯をふっくら炊きあげることができます。ご飯をよりおいしく味わいたいなら、日本酒を入れて炊きあげるのがおすすめです。最近では、米不足・米高騰の影響から政府による備蓄米の放出が始まり、「古古米(ここまい)」「古古古米(こここまい)」が話題になっています。日本酒は、古古米、古古古米をおいしく炊く際にも役立ちます。

今回の記事では、炊飯時にできる日本酒活用術をご紹介します。家にある日本酒やお米が古くなってきて悩んでいる方、備蓄米の購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

炊飯時に日本酒を使うメリットとは?

【炊飯で日本酒を使用するメリット】

  • お米にツヤが出る
  • ふっくらとした仕上がりになる
  • お米の甘みが増す

日本酒の原材料はお米なので、炊飯時に使っても、お米本来の味わいを邪魔しません。むしろさまざまなメリットがあるといわれています。まずは、炊飯時に日本酒を入れることで得られる3つのメリットをご紹介します。

お米にツヤが出る

日本酒を入れて炊くことで、お米にツヤが出ます。ご飯にツヤが出ると見た目も美しく、味わいもおいしく感じられます。

ふっくらとした仕上がりになる

ご飯をおいしく炊くには、ふっくらと仕上げることも大切。日本酒を入れることで、お米がふっくらと仕上がります。

お米の甘みが増す

低価格のお米や古米は、お米本来の味わいを感じにくいかもしれません。そこで日本酒を入れて炊くことで、お米に甘みが増すといわれています。

どうして日本酒で炊くとご飯がおいしくなるの?

日本酒ここでは、なぜ日本酒で炊くとご飯がおいしくなるのかを詳しくご紹介します。

アルコール成分がお米の状態をキープするから

穀類や野菜といった植物性の食品は、でんぷんやたんぱく質が溶け出すと、煮崩れを起こします。

しかし、日本酒に含まれるアルコール成分には、お米の中に含まれるでんぷんやたんぱく質が溶け出すのを防ぐ効果があります。そのため、炊飯時に日本酒を加えることで、お米の状態をキープしてくれるのです。日本酒を入れて炊くことで、お米にツヤが出て、粒が立っている状態に仕上がりますよ。

日本酒に含まれる糖分が甘みをプラスするから

日本酒には、米由来の糖分が多く含まれています。そのため、日本酒を入れて炊くと、日本酒の糖分によってお米の甘みが増すといわれています。

他にも、日本酒には消臭効果もあるといわれています。そのため、古米を炊く際に入れると甘みがプラスされる他に、ぬかの臭いを抑えてくれます。

古米をおいしく炊きたいときにも日本酒がおすすめ

お米は、消費期限・賞味期限の記載がありません。しかし、精米されてから徐々に劣化していくため、精米後はおよそ一カ月を目安に食べきることが推奨されています。

古米とは、収穫されてから1年以上経ったお米、前年に収穫されたお米のことです。古米になるまで放置されている場合はあまりないかもしれませんが、ストックしていたお米が精米から時間が経ってしまい古くなっているケースはあるのではないでしょうか。
古くなった米は食べられないわけではありませんが、水分量が減っていることが多いです。また、ぬかが酸化して独特な臭みを感じることもあります。そこで、日本酒を入れて炊くと、臭みが軽減しふっくらおいしくなります。

古古米・古古古米とは?

2025年5月に政府が古古米、古古古米の放出を発表しました。古古米とは、収穫から2年経過したお米のことで、現状では2022年産のお米を指します。古古古米は、収穫から3年経過した2021年産のお米です。政府は、米の不作による国産米の供給不足に備えるため、100万トン程度を備蓄米として保管しています。今回は、米不足・米価格の高騰への対策として、この備蓄米を放出し販売されます。

備蓄米は玄米の状態で保管されていたため、保管状況は良いとされています。農林水産省で行われた古古古米の試食会では「少し硬い」「香り、味にわずかな差を感じる」といった意見がありました。そこまで大きな味の劣化はないといわれていますが、よりおいしく食べるには日本酒を活用した炊飯を試してみてはいかがでしょうか。

日本酒を使ったご飯の炊き方

土鍋で炊くご飯では、日本酒を使ってどのように炊飯をするのでしょうか。次に、日本酒を使ったご飯の炊き方をご紹介します。

日本酒は純米酒を使うのがおすすめ

炊飯時に入れる日本酒は、種類を問わず、余っている日本酒があればそれを使って問題ありません。しかし、おすすめは米由来の旨み・甘みが凝縮された「純米酒」です。純米酒の原料はお米と麹、水だけとシンプルな造りなので、お米本来の味を損なわずに炊きあげることができます。

古くなった日本酒を使っても良い?

製造年月が古くなった日本酒がご自宅にある場合は、炊飯に使用しても問題ありません。しかし、香りや色が著しく変化している場合はご飯のおいしさに影響する可能性があるため、入れる前に確認することをおすすめします。

お米3合に対して大さじ1~2杯程度入れる

日本酒を入れる場合、普段通り炊飯器などで炊くときに少量入れるだけです。

お米を研いで浸水させたら、炊飯する前に日本酒を入れます。日本酒の量は、お米3合に対して大さじ1~2程度。アルコールは加熱すると蒸発するため、炊飯すれば残ることはありません。ただし、日本酒を入れすぎていると、お酒の香りが強く残ってしまう可能性があります。そのため、入れすぎには注意が必要です。

また、日本酒の香りがふんわりと残る場合があるため、気になる場合は小さじ1程度にするなど調節するようにしましょう。

日本酒だけでご飯を炊くとどうなる?

水の代わりに日本酒だけで炊くことはできるのか?気になった方もいるかもしれません。

日本酒だけでも炊飯はできますが、水の代わりに日本酒だけで炊くと、甘みは増すものの日本酒の香りが強く残るため、あまりおすすめできません。

料理酒やみりんを入れて炊いても良い?

料理酒を入れて炊くことも可能です。ただし、一般的な料理酒は塩分や甘味料、酸味料などが加えられているものもあります。そのため、料理酒を入れて炊飯することで少し塩味を感じる可能性があります。炊飯に使うなら、塩分の入っていない料理酒や日本酒を使うことをおすすめします。

日本酒と料理酒の違いは、以下の記事で詳しく紹介しています。

料理酒と同じように、みりんを入れてもお米の粒立ちが良くなり、甘みを引き出せます。みりんは「本みりん」「みりん風調味料」「みりんタイプ調味料」と種類があります。みりん風調味料はアルコール分が低く、みりんタイプ調味料は塩分が多いため、炊飯に使う場合は「本みりん」が良いでしょう。

古米をおいしく炊くためのその他の方法

古米、古古米・古古古米をおいしく炊くには、日本酒を入れる以外にも工夫できるコツがあります。

水を多めに入れる

古いお米は水分量が減っているため、水を多めに入れて炊くことで硬さを和らげる効果があります。硬さを感じる場合は、通常よりも1割程度水を多く入れてみると良いでしょう。

浸水時間を長くする

お米の浸水時間は、夏場は30分程度、冬場は1時間程度が良いといわれています。古米、古古米・古古古米の場合は、通常よりも浸水時間を長くすると炊きあがりがやわらかくなります。夏場は水温が上がりやすいため、長時間浸水させる場合は冷蔵庫に入れたり、氷を入れて水温を調整しましょう。

新米とブレンドする

ブレンド米は、銘柄・産地だけでなく産年が異なるものも「複数原料米」として市販されています。古米や古古米・古古古米を新米とブレンドすることで、古い米の食感や風味をカバーできます。自宅に新米がある場合は、ブレンドして調整してみても良いでしょう。

炊き込みご飯にする

水分量の減った古いお米は、炊き込みご飯にするのもおすすめです。古米や古古米・古古古米は水分の吸収が良いため、味がしっかり染み込んでおいしく仕上がります。

日本酒でご飯をおいしくするアイデア

日本酒は、通常の炊飯以外の方法でもご飯をおいしくするために活用できます。

冷えて固まったご飯

冷えて固まったご飯は、でんぷんが老化している状態のため、おいしくありません。少量の水をまぶして温めることで、再びおいしいご飯へと復活します。

それを水から日本酒に変えることで旨味がプラスされ、さらにおいしくなります。冷凍のご飯や冷蔵庫で保管したご飯を温める際は、ぜひ試してみてください。

冷凍ご飯

余ったご飯を冷凍して保存しているという方も多いのではないでしょうか。冷凍ご飯を解凍する際にも、日本酒を使うのがおすすめです。解凍する際、日本酒を少々ふりかけるだけで冷凍の独特の臭いが消え、ふっくらおいしくなります。

日本酒入り炊き込みご飯

具材たっぷりの炊き込みご飯を作る際も、日本酒を入れるのがおすすめです。日本酒を入れることで、味がしっかりと染み込みコクと旨味がアップします。

炊飯以外にも使える!料理での日本酒活用術

日本酒は、炊飯以外にもさまざまな料理で活用することができます。

旨味たっぷりの日本酒しゃぶしゃぶ

日本酒しゃぶしゃぶだしの代わりに日本酒を使ってしゃぶしゃぶを楽しむことができます。

鍋に日本酒を入れて沸かし、豚肉や牛肉、野菜を入れてしゃぶしゃぶするだけ。日本酒の旨味を感じられ、肉もやわらかくなりおいしくいただけます。日本酒は、火にかけることでアルコール分が飛ぶため、アルコール臭が和らぎます。とはいえ、お酒ですのでアルコールに弱い方は水を加えることをおすすめします。

日本酒ラーメン

一時期SNSでも話題になったインスタントラーメンを作る際に、日本酒を入れる方法です。

作り方は簡単。商品に記載されている作り方に従って調理し、仕上げに大さじ1程度の日本酒を入れるだけです。

日本酒ちょい足しカレー

カレーと日本酒日本酒は、カレーに入れるのもおすすめ。レトルトカレーに日本酒を少量入れると、味わいに深みが出ておいしさがアップします。そこにさらに野菜をたっぷり入れるなどして、オリジナルのカレーを作って楽しむのも良いでしょう。

もちろん、ルーを使ってカレーを作るときも日本酒を入れて問題ありません。ルーから作る場合は、野菜とお肉を炒めるときに日本酒を入れましょう。

キャンプ飯

キャンプ飯でも日本酒は大活躍。例えば、飯盒(はんごう)で炊いたご飯に芯が残り硬かった場合、日本酒をまぶしてから再加熱することでやわらかくなります。日本酒は飲んで楽しむこともできますし、料理酒としても活用できます。

前述の日本酒を使ったラーメンやカレーもキャンプ飯にぴったり。日本酒を持って、キャンプ飯を楽しむのはいかがでしょうか。

料理におすすめな沢の鶴の日本酒をご紹介

料理酒は調味料のため、塩分が含まれています。塩分が気になる方は、塩が含まれていない日本酒を料理酒として使うのがおすすめです。

沢の鶴では、飲んで楽しめるのはもちろん、料理や炊飯にも使える日本酒をご用意しております。

米だけの酒

「米だけの酒」は、醸造アルコールや糖類、酸味料を一切使っていないお米100%の純米酒です。お米の旨味をしっかりと感じられます。飲むのはもちろん、料理酒としてもお使いいただけます。
お米以外になにも加えられていないので、炊飯時に使用するのもおすすめです。

米だけの酒は、全国のコンビニ、スーパー、ドラッグストアなどで手軽に購入いただけます。

[沢の鶴]米だけの酒パック 900ml
  • 純米酒
  • 料理におすすめ

[沢の鶴]米だけの酒パック 900ml

米一粒一粒の力が生きています。こだわりと値ごろ感をあわせもった純米酒。

アルコール度数:
14.5度
飲みごろ温度:
【冷酒】15℃(涼冷え)
【お燗】45℃(上燗)

数量

[沢の鶴]米だけの酒パック 1.8L
  • 純米酒
  • 料理におすすめ

[沢の鶴]米だけの酒パック 1.8L

米一粒一粒の力が生きています。こだわりと値ごろ感をあわせもった純米酒。

アルコール度数:
14.5度
飲みごろ温度:
【冷酒】15℃(涼冷え)
【お燗】45℃(上燗)

数量

米だけの酒 糀2倍の純米酒

「米だけの酒 糀2倍の純米酒」は、旨味と飲みやすさを重視して麹をたっぷり使っているため、少し甘めの純米酒です。麹米を2倍以上使用することで、凝縮された旨味と甘み、酸味を感じられるお酒になります。

アルコール度数も10.5度と他の日本酒と比べて低めで、料理でも使いやすい日本酒です。

[沢の鶴]米だけの酒 糀2倍の純米酒パック 1.8L
  • 純米酒
  • 料理酒としておすすめ

[沢の鶴]米だけの酒 糀2倍の純米酒パック 1.8L

糀の、ほのかな甘みがやさしい日本酒。いつまでも、おいしい晩酌を楽しみたい。

アルコール度数:
10.5度
味わい:
軽快でなめらかなタイプ(爽酒)

数量

純米

「純米」は生酛(きもと)造りの純米酒で、お米の旨味や深い味わい、芳醇な香り、後味のキレの良さを楽しむことができる日本酒です。日本酒好きの方が気軽に楽しめる純米酒で、冷やで飲めばキレを楽しむことができ、燗なら旨味をしっかりと感じられます。原材料は米と米麹のみ。料理酒としての使用にもおすすめの日本酒です。

[沢の鶴]純米 1.8L
  • 純米酒
  • 生酛造り

[沢の鶴]純米 1.8L

日本酒好きな方が気軽に飲める純米酒。純米酒本来の旨味の、芳醇な香りとキレ。

アルコール度数:
14.5度
飲みごろ温度:
【冷酒】15℃(涼冷え)
【お燗】40℃(ぬる燗)

数量

おわりに

今回は、炊飯時に使用できる日本酒の活用術をご紹介しました。

炊飯時に日本酒を少し入れるだけで、旨みや甘みがアップし、ツヤのある状態で炊きあがります。

特に古くなったお米は、独特な臭いがしたり水分量が減りおいしさが落ちていることがあります。そのため、ツヤや甘みをプラスしてくれ、消臭効果もある日本酒を使って炊くのがおすすめです。古古米・古古古米などの備蓄米を食べる際にも、ぜひ日本酒を活用してみてください。

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沢の鶴株式会社 酒みづき編集部
沢の鶴の日本酒がもっと好きになるWEBメディア『酒みづき』。

1717年(享保二年)、灘の西郷で米屋の副業としてスタートした沢の鶴の酒造り。「米を生かし、米を吟味し、米にこだわる」酒造りは創業から300年以上も続く伝統です。
これまでにモンドセレクション世界酒類コンクールにて数々の賞を受賞。2007年には10年間連続で最高品質の商品を生産してきた企業に授与される最高栄誉賞(THE CRYSTAL PRESTIGE AWARD)も受賞するなど、日本酒業界において数々の功績を残しています。

沢の鶴はこれからも日本酒文化を大切にしながら、みなさまの毎日の食事がもっと美味しくなるお酒造りを続けていくと共に、このWEBメディア『酒みづき』を通して、より多くの方々に日本酒の美味しさや楽しみ方に関する情報をお届けしてまいります。

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※お酒は20歳になってから。お酒は楽しく適量を。飲酒運転は、絶対にやめましょう。妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児に悪影響を与えるおそれがあります。