日本酒と焼酎の違いは?原料や製造方法の特徴を知ろう
日本酒と焼酎は、ともに日本固有のお酒です。見た目はあまり差がありませんが、日本酒と焼酎では味わいや香りがそれぞれ異なります。これは、双方の原料や製造方法が違うからです。
日本酒、焼酎は日本文化を代表するお酒として、年々海外での需要も高まっています。海外の方に違いを聞かれたとき、サラッと答えられたら素敵ですよね。
そこで今回は、日本酒と焼酎の違い、原料や製造方法の特徴についてお伝えします。
Contents
日本酒と焼酎の原料の違い
日本酒の主原料は米であるのに対して、焼酎は種類によってさまざまです。焼酎甲類は、さとうきびから取れる糖蜜などを主原料としています。焼酎乙類の原料は、さつま芋、麦、黒糖などの穀物です。芋焼酎ならさつま芋、麦焼酎なら麦が原料になります。
なお、米でも焼酎は造られますが、米焼酎の精米歩合は85~90%ほどが一般的です。日本酒の精米歩合は60~70%前後が多く、例えば大吟醸酒であれば50%以下と、半分以上米を磨いているものがあります。
日本酒と焼酎の製造方法はどう違う?
製造方法の違いですが、日本酒は「醸造酒」で、焼酎は「蒸留酒」です。
それでは、醸造酒と蒸留酒がどのようなお酒か、具体的に見ていきましょう。
日本酒は「醸造酒」
酵母の力で糖分をアルコール発酵させたお酒のことを「醸造酒」といいます。醸造酒は、その発酵方法によって単発酵酒、単行複発酵酒、並行複発酵酒に分かれます。
単発酵酒は原料に糖分を含んでいて、酵母のみでアルコール発酵させたお酒のことを指し、ワインなどがこれに含まれます。
単行複発酵酒は、原料である穀物のデンプンを糖に変えてから発酵させたお酒のことです。大麦を原料とするビールなどが単行複発酵酒です。
並行複発酵酒は、デンプンが糖に変化する糖化とアルコール化を同時に発生させるお酒のことです。米のデンプン質の糖化と酵母によるアルコール化が1つのタンクで行われる日本酒は、並行複発酵酒にあたります。
焼酎は「蒸留酒」
醸造酒である日本酒に対して、焼酎は「蒸留酒」です。
蒸留酒は、発酵後に「蒸留」という製造工程を加えて造られたお酒。蒸留は、加熱した蒸気を冷やして液体を抽出するという工程です。蒸留することによって不純物が除かれ、アルコールの純度が増します。
焼酎乙類は単式蒸留機で蒸留しますが、焼酎甲類の場合は連続式蒸留機で何度も蒸留を繰り返すことで、無色透明のクリアなアルコールに仕上がります。
日本酒と焼酎の製造方法の大きな違いは、醸造後の蒸留の有無です。
なお、蒸留酒に当てはまるのは焼酎をはじめ、ウイスキー、ブランデーなどのアルコール度数が高めのお酒になります。
アルコール度数と飲み方の特徴
日本酒と焼酎は、アルコール度数や飲み方にも異なる特徴があります。
アルコール度数は焼酎の方が高め
酒税法では、日本酒のアルコール度数は22度未満と定められており、私たちが普段飲む日本酒の大半は、15度前後です。
焼酎のアルコール度数は、焼酎甲類であれば36度未満、焼酎乙類は45度以下と規定があります。先程ご紹介したように焼酎は蒸留という製造工程を経ているため、アルコール度数は日本酒より高めで、20~25度のものが多くなります。
ちなみに、焼酎乙類の一種である泡盛のアルコール度数は30度、古酒になると40度前後のものがあります。
日本酒は温度で変わる味わいを楽しむ
日本酒は、他の飲料で割ったりせず、そのままを味わう飲み方が一般的です。温度によって日本酒の香りや風味に変化があるため、お燗でいただいたり、冷酒にしたりして、その違いを楽しめるお酒です。
焼酎はストレートで飲むとアルコール度数が高くなるため、サワーやお湯割り、水割り、ロックなどさまざまな飲み方で親しまれています。
おわりに
醸造酒である日本酒は米が原料で、蒸留酒である焼酎は糖蜜やさつま芋、麦など、さまざまなものを原料にして造られています。それぞれ違った原料・製造方法だからこそ、特有の香りや味わいが楽しめます。
その日の気分や食事に合わせて、日本酒・焼酎を選んで、楽しんでみてはいかがでしょうか?
1717年(享保二年)、灘の西郷で米屋の副業としてスタートした沢の鶴の酒造り。「米を生かし、米を吟味し、米にこだわる」酒造りは創業から300年以上も続く伝統です。
これまでにモンドセレクション世界酒類コンクールにて数々の賞を受賞。2007年には10年間連続で最高品質の商品を生産してきた企業に授与される最高栄誉賞(THE CRYSTAL PRESTIGE AWARD)も受賞するなど、日本酒業界において数々の功績を残しています。
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