公開日: 更新日: 日本酒を楽しもう

日本酒は酒器で味が変わる?酒器の種類別・選び方の違いとは

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酒器の種類別・選び方の違い

日本酒を飲むときに使う酒器は、徳利(とっくり)やお猪口(おちょこ)、グラスなど、さまざまな種類があります。何気なく選び、何気なく使っている方が多いかもしれませんが、実は酒器を変えるだけで日本酒の味が変わることもあるのです。
そこで今回は、酒器には特にこだわりを持っていないという方にもぜひ知ってほしい、日本酒の酒器の種類とその選び方をご紹介します。

種類豊富な日本酒の酒器を選ぼう

日本酒は、五感を使って味わうお酒です。
例えば、徳利とお猪口を使用して、燗酒を飲む場合を考えてみましょう。徳利に触れることでお酒の温度を肌で感じ、お猪口へ入れる際にお酒を注ぐ心地よい音を聞くことができます。そして、お猪口に注いだお酒を見て色や透明度を楽しみ、飲んで香りと味を楽しみます。
その際に使用する酒器によって、日本酒の色の状態や香りの立ち方、全体の印象が大きく変化するのです。

古くから、酒器には「大人の遊び心」が詰められてきました。せっかく日本酒を飲むなら、酒器も合わせて楽しみたい!という、日本人の粋な心によるものなのでしょう。

酒器の選び方【容量・口径・かたち別】

酒器の容量や口径、かたち別の選び方日本酒は種類や温度によって味わいが大きく変わるお酒。だからこそ、酒器の容量やかたちが重要になります。

温度で選ぶ、酒器の「容量」

キリッとした冷酒を長く酒器に入れておくと、次第にぬるくなってしまいます。そのため、冷酒を飲むときは小さな酒器を選び、冷たいうちに飲みきるのがおすすめ。
逆に燗酒は、温度が下がっていく過程を舌で感じたい場合は、大ぶりの酒器でも良いでしょう。熱いまま飲むのが好きな場合は、小さめの徳利が良いですね。

「たくさん飲みたいから、とりあえず大きな酒器を選んでいた…」という方は、次に日本酒を飲む際は、温度によって酒器を選んでみてはいかがでしょうか。

香りが変化する、酒器の「口径(口の広さ)」

酒器の口径(口の広さ)が変わると、日本酒の香りが変化します。それは、酒器に注がれたお酒の表面積によって、香りの立ちやすさが変わるためです。

口径が広い酒器に日本酒を注ぐと、ふわっと広がる香りをより感じることができます。
逆に、口径が狭い酒器で日本酒を飲む場合は香りが広がりにくく、スッキリと飲みたい方におすすめです。鼻に近づけてみると、香りをストレートに感じられるでしょう。

旨味や香りを引き立てる、酒器の「かたち」

酒器にはいろいろなかたちがありますが、変わったかたちの酒器は見て・持って楽しめるだけではなく、香りや味わいにも影響を与えることがあります。

たとえば口径が狭く、下に向かって広がっている壺のような酒器は、どっしりとした芳醇な日本酒の旨みを引き立ててくれます。
口がラッパ型に広がった縦長の酒器は、香りが広がりやすく、日本酒の爽やかさを一層感じさせてくれるでしょう。

フレッシュで華やかさのある純米吟醸酒を冷やして飲むときは、小さめで口の広い酒器を。ふくよかな旨みのある純米酒を飲むときは、まるくて重量感のある酒器を。
このような酒器のセレクトができるようになると、日本酒をより一層楽しめるようになりますね。

酒器の選び方【素材別】

酒器の素材別の選び方酒器は、いろいろな素材のものがあります。素材が違うと、手触りや温度の伝わり方も変わるため、上手に選ぶことでさらに日本酒の奥深さを感じさせてくれるのです。

ガラスの酒器

透明感のあるガラスの酒器の最大の特徴は、なんといっても見た目が涼やかなこと。日本酒の味をフラットに味わえることや、冷酒や微発泡酒に合うことなどから、広く使われています。

シャープな切れ味の大吟醸酒などには極限まで薄く作られたガラスの酒器、濃厚なにごり酒などは厚みのあるガラス酒器を使ってみると、相性の良さが分かるでしょう。また、最近ではワイングラスで日本酒を飲むことも広がっているようです。

陶器の酒器

陶器でできた酒器は、日本酒の味を柔らかくしてくれます。厚みもあるため、特にコクのあるタイプの日本酒を飲むと、口の中いっぱいにおいしさが広がります。

日本酒はお米と水でできていますし、陶器は土から作られます。この組み合わせは、まさに日本の風土が産んだ天性のマッチングだといえるでしょう。

錫(すず)の酒器

日本酒を飲む際には、錫(すず)でできた酒器もおすすめです。
錫(すず)は錆びにくく色の変化も少ない、安定した金属素材です。分子構造が粗いことから、日本酒の雑味を分解して味をまるく・甘くするといわれており、通の方からの根強い支持がある素材です。
錫の酒器でお燗をすることで、口あたりがまろやかになり、燗酒をよりおいしく味わうことができます。温度が伝わりやすいため、あたたかいままゆっくりと味わいたい時に向いています。

古くは神仏器具などにも使用されていた錫(すず)は、日本酒の良さをじゅうぶんに引き出してくれる格式高い素材ですので、ぜひ試してみてくださいね。

おわりに

今回は、日本酒を飲む際に使う酒器の、選び方のポイントをご紹介しました。
日本酒は、使用する酒器によって味や香りの変化に影響が出る、とても繊細なお酒です。これまで酒器には頓着していなかった方も、ぜひこれからは酒器選びにもこだわってみて、より一層、日本酒を楽しんでくださいね。

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1717年(享保二年)、灘の西郷で米屋の副業としてスタートした沢の鶴の酒造り。「米を生かし、米を吟味し、米にこだわる」酒造りは創業から300年以上も続く伝統です。
これまでにモンドセレクション世界酒類コンクールにて数々の賞を受賞。2007年には10年間連続で最高品質の商品を生産してきた企業に授与される最高栄誉賞(THE CRYSTAL PRESTIGE AWARD)も受賞するなど、日本酒業界において数々の功績を残しています。

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