おせち料理にはどんなお酒が合う?おせちの意味と合う日本酒をご紹介!
新年を迎えるうえで欠かせないのがおせち料理です。家族で談笑しながら重箱を囲む姿も珍しくありませんが、日本酒との相性が良い料理も多数あります。
今回はおせち料理の基礎知識のほか、代表的なおせち料理やおせちに最適な日本酒を5つご紹介します。ぜひおせちと日本酒で新年を迎えてみてはいかがですか?
Contents
おせち料理にはどんな意味がある?
まずおせち料理が持つ意味について見ていきましょう。おせちの歴史を紐解くと、実はお正月だけのものではないことがわかります。このほか、料理を詰めるために重箱が使われ始めた時期や、「おせち」と呼ばれるようになった歴史についても解説します。
おせちは節句に作られる料理を指す
おせちは漢字で御節と書きますが、旧暦における節句の1つです。平安時代、五節句に節会(せちえ)という宮中行事が行なわれ、そこで振る舞われていた料理が現在のおせち料理の原型とされています。当時は御節供(おせちく)と呼ばれていましたが、現在のようにお正月限定だったわけではありません。五節句で提供される料理をすべて御節供と呼ばれていたのです。
御節供がお正月のものに変化し始めたのは江戸時代に入ってからのことです。平安時代より続く宮中行事が次第に江戸で広まり、当時の庶民たちが五節句の際に御節供を楽しむようになりました。
そして時代とともに五節句のなかで元旦が一番重要と認識され始め、江戸時代後期には正月料理が御節供として定着しました。
重箱へ詰め始めたのは明治時代頃から
御節供に重箱を使い始めたのは江戸時代後期~明治時代といわれています。諸説ありますが、日本では重ねることは縁起が良いと考えられており、重箱へ料理を詰めるようになったとされています。
一方、「おせち」という呼び方が広まったのは第二次世界大戦後です。それまでは食積(くいつみ)か蓬莱(ほうらい)という呼び方が一般的でした。戦後に百貨店で重箱入りの「おせち」が売られ始め、普及していきました。
おせち料理は普段忙しい主婦を休ませるため、保存性の高い料理が多くなったとの説もあります。いずれにせよ、おせち料理は長い歴史のなかで徐々に変化して現在に至ります。
代表的なおせち料理
一口におせち料理といっても種類は豊富です。たとえば焼き物や酢の物、煮物などもある一方、栗きんとんのように甘めの料理もあります。
以下では代表的なおせち料理を5つ紹介します。料理に合わせ、いろいろなお酒を楽しんでみてください。
紅白かまぼこ
紅白かまぼこは口取り(おもてなし料理で最初に出す料理)の一種で、紅白が新年のおめでたさを表現しています。その形状が初日の出に似ていることから、おせち料理では定番の料理です。お重に紅白かまぼこをそのまま入れている場合もあれば、松や鶴の飾り切りをする場合もあります。紅白かまぼこの赤は魔除けを意味し、白は清浄を表現しているともいわれます。
紅白かまぼこの味は淡白でクセはありません。このため、どのような風味の日本酒にも合わせやすい料理といえます。
伊達巻
伊達巻もポピュラーなおせち料理の1つです。地方によって、材料や作り方はそれぞれですが、一般的には、卵にはんぺん、砂糖やダシを使って作られています。ほのかな甘さとやわらかいジューシーな食感が特徴ですが、比較的甘口の日本酒も合います。
伊達巻は見た目も華やかですが、形が巻物に似ていることから知性を表すという説や、着物の伊達巻に由来している説など、由来は諸説あります。ほかにも、卵が子孫繁栄を表現するなど、伊達巻にはさまざまな意味が込められています。
栗きんとん
栗きんとんもおせちには欠かせない料理です。クチナシの実を使うことで鮮やかな金色に仕上がります。ほっこりした栗の食感と濃厚なサツマイモの甘さが特徴で、子供に人気があります。一方、濃厚な甘みは日本酒との相性も良く、アッサリした味わいの銘柄に適しています。
きんとんは漢字で金団と書き、金の団子あるいは金の布団という意味を持ちます。美しい黄金色が小判や金に見えることから、商売繁盛や金運上昇を祈願する料理となりました。
黒豆
おせちに黒豆は外せない、という人もいるのではないでしょうか。関東地方では祝い肴三種の1つに数えられており、古くからおせちに欠かせない料理として親しまれてきました。黒豆は語呂合わせから「まめに働けるように」との願いが込められ、無病息災や長寿の意味を持っています。
なお、関東地方と関西地方では黒豆の煮方が異なります。関東地方は「長生きできますように」との意味を込めて皮にシワができるまで煮ますが、関西地方ではシワなしが長生きにつながると考えられています。
数の子
上品な塩味と美しい黄金色が特徴の数の子は、必ずといって良いほどおせちに含まれている料理で、日本酒にも合わせやすい料理といえます。特にアッサリした風味の日本酒が適しているでしょう。
数の子は地域を問わず、古くからおせちに用いられています。ニシンの卵であることから子孫繁栄の願いも込められており、とても縁起の良い品です。
おせちに合う日本酒
おせちは味が濃いめの料理が多く、種類も豊富にあります。そのため日本酒との相性も良いですが、口直しをしたいときにはキリッと辛口の日本酒がおすすめです。一方、伊達巻などの甘めの料理は、甘口の日本酒が適しているでしょう。
以下ではおすすめの銘柄を5つ紹介します。おせちと合わせてぜひ試してみてください。
特別純米酒 本格甘口 山田錦
「本格甘口 山田錦」は、深いコクと優しい甘みが特徴の銘柄です。酒米には山田錦を使っています。一般的な日本酒と比べて2倍以上の麹を使用しており、麹本来が持つ甘みと旨味が楽しめます。
- 特別純米酒
- 麹2倍以上使用
- アルコール度数:
- 13.5度
- 飲みごろ温度:
- 【冷】10℃近辺、【燗】45~50℃
優しい味わいですので、日本酒が苦手な人でも飲みやすいかもしれません。甘口のお酒が好きな人は、一度試してみてはいかがですか?
100人の唎酒師(ききざけし)
「100人の唎酒師」は、沢の鶴に在籍する100人以上の唎酒師がおすすめする日本酒です。少し辛口タイプですが、生酒ならではの果物のような芳香と、酒米が生み出す深いコクを楽しめます。
また、オンザロックで楽しめるのも魅力です。
本醸造生酒
「本醸造生酒」はフレッシュな風味が特徴的な銘柄です。生酒は一度も火を入れずに瓶詰めされるため、造りたての味を楽しめます。フルーティな芳香とマイルドで優しい飲み口のお酒です。どのようなおせち料理にも良く合います。
- 本醸造酒
- 蔵出しそのままの味
- アルコール度数:
- 13.5度
- 飲みごろ温度:
- 【冷】5℃(雪冷え)、10℃(花冷え)、15℃(涼冷え)
おわりに
一口におせちといっても料理の種類は多く、各料理にはさまざまな願いや意味が込められています。それぞれの料理が持つ意味に思いを馳せながら、日本酒と一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。
おせちには日本酒と相性の良い料理が豊富にあります。ただ、日本酒といっても銘柄により味が変わるため、複数の銘柄を飲み比べてみるのもよいでしょう。
1717年(享保二年)、灘の西郷で米屋の副業としてスタートした沢の鶴の酒造り。「米を生かし、米を吟味し、米にこだわる」酒造りは創業から300年以上も続く伝統です。
これまでにモンドセレクション世界酒類コンクールにて数々の賞を受賞。2007年には10年間連続で最高品質の商品を生産してきた企業に授与される最高栄誉賞(THE CRYSTAL PRESTIGE AWARD)も受賞するなど、日本酒業界において数々の功績を残しています。
沢の鶴はこれからも日本酒文化を大切にしながら、みなさまの毎日の食事がもっと美味しくなるお酒造りを続けていくと共に、このWEBメディア『酒みづき』を通して、より多くの方々に日本酒の美味しさや楽しみ方に関する情報をお届けしてまいります。
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