焼き鳥に合う日本酒は?焼き鳥と日本酒のおいしいペアリング
日本の居酒屋文化を代表する焼き鳥と日本酒。炭火の香ばしさと日本酒の旨味が調和する、多くの方に親しまれている組み合わせです。焼き鳥と日本酒は全般的に合うイメージがありますが、実は焼き鳥の味付けや部位に合わせて、種類の異なる日本酒をペアリングすることでよりおいしく楽しめます。今回はそれぞれの味わいを引き立て合う焼き鳥と日本酒の組み合わせや、焼き鳥に合わせたい日本酒の特徴をご紹介します。
Contents
焼き鳥には日本酒が合う?
焼き鳥は鶏肉や野菜を串に刺して炭火で焼き上げる料理で、幅広い年代の方から親しまれています。居酒屋の定番メニューとしてのイメージも強く、ビールや焼酎などと楽しむ方も多いですが、日本酒との相性も抜群です。
焼き鳥の脂と日本酒のさっぱりとした口あたりが好相性
脂を炭火で焼くことで、香ばしい風味を存分に楽しめる焼き鳥。さっぱりとした口あたりの日本酒は、焼き鳥の濃厚な脂をさっと流し、口の中をリフレッシュしてくれる「ウォッシュ効果」と、旨味のあるタレとの「同調効果」が、焼き鳥と日本酒の魅力を引き立てています。
炭火と日本酒の香りがマッチ
炭火特有のスモーキーな香りが、日本酒の爽やかな香りと見事にマッチします。味わいだけでなく香りでも調和を楽しめるのが焼き鳥と日本酒の相性の良さでもあります。
また、焼き鳥はタレや塩といった味付けの違い、部位の違いによって味わいが大きく変化します。同様に、日本酒も種類や銘柄によって異なる味わいがあるため、より繊細なペアリングが楽しめるのです。
焼き鳥の味付けの違いによって日本酒を合わせる
ここで、焼き鳥の味付けごとに合う日本酒の種類をご紹介します。
タレ味の焼き鳥に合うのは芳醇な純米酒、樽酒
焼き鳥につけるタレは、コクがあり濃厚な味わいのものが多いため、日本酒を合わせる際は同様にコクと旨味がある純米酒がおすすめです。どちらも甘みがあり、お互いを引き立て合うでしょう。タレの甘みと鶏肉・日本酒の旨味が重なり合い、より深い味わいを生み出します。
また、タレの焼き鳥に「樽酒」もよく合います。タレの甘辛い味わいと鶏の脂の旨味が、力強い樽酒の風味・味わいと調和します。
塩味の焼き鳥に合うのは淡麗な吟醸酒や本醸造酒
塩味の焼き鳥は淡白な味わいのため、淡麗な日本酒とよく合います。素材の味や炭火の香りを引き立てるよう、吟醸酒や本醸造酒などスッキリと軽いものや、辛口の日本酒と合わせるのがおすすめです。
特にひやおろしや生酒などフレッシュな日本酒は、塩味の焼き鳥と相性抜群です。
焼き鳥の部位の違いによって日本酒を合わせる
鶏肉の部位によって、脂の乗り方や味が異なるため、部位に合わせて日本酒をペアリングするのもおすすめです。それぞれの部位の特徴を理解し、最適な日本酒を選ぶことで、料理の味わいを最大限に引き出すことができます。
脂の多い部位にはキレ、旨味のある純米酒や本醸造酒
ぼんじり、皮、せせりなどの脂の多い部位には、キレと旨味どちらもある日本酒が合います。脂の旨味を引き立てつつ、のど越しがスッキリとしていて脂を流してくれるような、辛口の本醸造酒や純米酒などがおすすめです。
淡白な部位には軽めの吟醸酒、純米吟醸酒
淡白な鶏むね、ささみ、なんこつは、酸味、苦みがほのかに感じられる吟醸酒、純米吟醸酒と合わせると、素材の旨味を見事に引き出してくれます。軽やかな吟醸香と、繊細な鶏肉の味わいが調和します。
内臓系の部位には濃醇な純米酒
レバーやハツなどの内臓系は、独特の食感と濃厚な味わいが特徴です。生酛造りや山廃の純米酒、純米原酒など、酸味やコクのある濃醇な日本酒と合わせるのがおすすめです。内臓特有の濃厚な風味と、奥行きのある日本酒の味わいが見事に融合します。
焼き鳥には燗酒が合う?
焼き鳥には冷酒と燗酒どちらもおすすめです。料理の特徴や部位によって、最適な温度の日本酒を選ぶことで、さらに深い味わいを楽しめます。ここでは特に相性の良い組み合わせをご紹介します。
タレの焼き鳥、内臓系の部位には純米系の燗酒
レバーやハツなどの内臓系の部位は独特の風味があるため、お燗と合わせることで旨味が引き立ちます。旨味のある純米酒をお燗にすることで、深みのある味わいを楽しめます。温かさが風味を引き立て、より複雑な味わいを生み出します。
塩の焼き鳥、淡白な部位にはキレのある冷酒
塩味の焼き鳥やささみ、むねなどの淡白な部位は、キレの良さと清涼感が引き立つ冷酒がよく合います。冷酒の爽やかさが、塩味の焼き鳥の繊細な味わいを引き立てます。
焼き鳥と日本酒で、家飲みを楽しむには
スーパーやコンビニ、精肉店などで手に入る焼き鳥と、こだわりの日本酒で家飲みを楽しむのもおすすめです。焼き鳥を温めておいしい日本酒と一緒に楽しむことで、居酒屋気分を味わえます。
焼き鳥を家でおいしく味わうコツ
自宅のフライパンやグリルパンで焼き鳥をおいしく仕上げるコツは、中火から弱火でじっくりと焼くことです。直火で高温にしすぎると焦げてしまいますが、じっくり焼くことで中まで火が通り、香ばしさを引き出せます。
タレは焼いている最中に少しずつ塗ることで、焦げ付かずに香ばしい仕上がりになります。塩で仕上げる場合は、焼き上がりに軽く振りかけるのがポイントです。
串の太さや鶏肉の部位によって、焼き時間を調整しましょう。鶏もも肉は中までしっかり火を通し、せせりや皮は香ばしさを出すために少し焦げ目をつけるのがコツです。
スーパーのお惣菜など、調理済みの焼き鳥を食べる際は、電子レンジで温めた後にフライパンで軽く焼くと、香ばしさが増します。
魚焼きグリルを使う場合は、均一に熱が伝わりやすく、焼き鳥の表面に適度な焦げ目をつけられます。炭火で焼いたような香ばしさを家庭でも再現できるためおすすめです。
おすすめの家飲みスタイル
冷奴や漬物など、すぐに用意できるおつまみと一緒に焼き鳥を並べれば、本格的な居酒屋気分を演出できます。簡単な付け合わせとして、大根おろしや刻みねぎ、柚子胡椒、七味唐辛子などの薬味を用意すると、より本格的な味わいを楽しめるでしょう。
日本酒を飲む際は、おちょこや徳利、ぐい呑みがあればより居酒屋気分を味わえますが、湯飲み茶わんやワイングラスでもおいしく飲めます。特に吟醸酒や純米吟醸酒は、ワイングラスで香りを楽しむと、より繊細な香りを感じられます。
焼き鳥にぴったり!沢の鶴おすすめの日本酒
焼き鳥と相性の良い、沢の鶴おすすめの日本酒をご紹介します。
なまんま
火入れをしないそのまんまのお酒「なまんま」。米のふくらみのある味わいと、スッキリとした後味が魅力の生酒です。フレッシュな口あたりで、塩味の焼き鳥と合わせると素材の味をより引き出してくれます。
香りや味わいを長期間維持する「限外濾過」製法で造られているため、開栓前であれば常温での保存が可能です。
- 本醸造生酒
- 限外濾過
生酒はしぼったお酒を加熱処理しない
ありのまま、
そのまんまのお酒。
- アルコール度数:
- 13.5度
- 飲みごろ温度:
- 【冷や】5℃(雪冷え)、10℃(花冷え)、15℃(涼冷え)
100人の唎酒師
100人の唎酒師も、限外濾過技術を使った純米生原酒です。生酒のフレッシュでフルーティーな味わいと、山田錦のきめ細やかでコクのある味わいが特徴です。しぼりたてのフレッシュな味わいと深いコクを楽しめることから、塩味、タレ味の焼き鳥どちらとも相性が良く、脂の部位ともおいしく合わせられます。
- 純米生原酒
- 限外ろ過製法
美味しい日本酒を届けたい。100人のきき酒師の物語。
- アルコール度数:
- 18.5度
- 飲みごろ温度:
- 10℃(花冷え)~15℃(涼冷え)、20~25℃(常温)
特別純米酒 実楽(じつらく)山田錦
山田錦の魅力を最大限に引き出した特別純米酒。山田錦は、兵庫県三木市吉川町にある「実楽」という地域の希少なものを使用しています。キレのある旨味、きめ細やかな口あたりが特徴で、タレ味の焼き鳥との相性が抜群です。
- 特別純米酒
- 生酛造り
130年の絆から生まれた山田錦名産地の特別純米酒です。純米酒本来の旨みに、芳醇な香りとキレの良さが特長です。
- アルコール度数:
- 14.5度
純米吟醸 瑞兆
料理に合う、味吟醸タイプの純米吟醸酒です。優しい吟醸香と、バランスの取れたきめ細やかな味わいが特徴。ささみや淡白な部位の焼き鳥に最適です。
- 純米吟醸酒
- 食中酒におすすめ
- 飲みきりサイズ
どんな料理にも合う、食中酒に適した味吟醸タイプの純米吟醸酒。
- アルコール度数:
- 13.5度
- 飲みごろ温度:
- 【冷酒】10℃(花冷え)
【燗酒】40℃(ぬる燗)
生酛造りのきもとさん
手間ひまかかる生酛造り製法によって、コクとキレ、旨味を引き出した本格派の本醸造酒です。冷酒、燗酒どちらでも、焼き鳥とおいしく合わせられます。
お燗にすると米のふくよかな旨味がより感じられ、内臓系の焼き鳥との相性が抜群です。
おわりに
焼き鳥と日本酒の組み合わせは、日本の食文化の奥深さを感じさせてくれます。焼き鳥の部位や味付けに合わせて日本酒を選ぶと、より一層おいしく豊かな時間を過ごせます。ぜひ、自分好みの焼き鳥×日本酒の組み合わせを見つけてみてください。

1717年(享保二年)、灘の西郷で米屋の副業としてスタートした沢の鶴の酒造り。「米を生かし、米を吟味し、米にこだわる」酒造りは創業から300年以上も続く伝統です。
これまでにモンドセレクション世界酒類コンクールにて数々の賞を受賞。2007年には10年間連続で最高品質の商品を生産してきた企業に授与される最高栄誉賞(THE CRYSTAL PRESTIGE AWARD)も受賞するなど、日本酒業界において数々の功績を残しています。
沢の鶴はこれからも日本酒文化を大切にしながら、みなさまの毎日の食事がもっと美味しくなるお酒造りを続けていくと共に、このWEBメディア『酒みづき』を通して、より多くの方々に日本酒の美味しさや楽しみ方に関する情報をお届けしてまいります。
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