清酒とは?日本酒・料理酒との違いや飲み方、賞味期限について解説
清酒と日本酒には、どのような違いがあるかご存じですか。また、清酒の種類や、料理酒とはどう違うのかなど、はっきりとは分からないという方は多いかもしれません。今回は、清酒と日本酒の違いや料理酒との違い、清酒の飲み方や賞味期限はあるのかなどについて解説します。
Contents
清酒とは?
清酒(せいしゅ)とは、米と米麹、水を主な原料とし、発酵させこして造られたお酒のことです。
お酒に関する国の法律である酒税法によると、「清酒」の定義は
- 米、米こうじ及び水を原料として発酵させて、こしたもの
- 米、水及び清酒かす、米こうじその他政令で定める物品を原料として発酵させて、こしたもの(1・3以外)但し、その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が米(こうじ米を含む。)の重量をこえないものに限る
- 清酒に清酒かすを加えて、こしたもの
となっています。
お酒造りの工程では、米、米麹、水に乳酸菌と酵母を加えて発酵させ、日本酒の元となる「醪(もろみ)」をつくります。この醪を「こす」ことで「清酒」となります。日本酒造りにおいては「上槽」と呼ばれる工程です。
また、「その他政令で定める物品」とは、醸造アルコールや糖類、有機酸、アミノ酸塩などです。使用量には制限が設けられていますが、清酒には米、米麹、水の主原料の他に、副原料が含まれる場合があるということになります。
清酒と日本酒、料理酒の違い
米と米麹、水が主原料であれば、日本酒や料理酒と違わないのではないか、と思うかもしれません。しかし、清酒と日本酒、また料理酒には定義や原料において細かな違いがあります。
清酒と日本酒の違い
清酒と日本酒は「国産」であるかという点で区別されます。清酒の場合、米、米麹、水に産地の規定はなく、海外産であっても清酒とされます。一方日本酒は、日本産米を原料として、日本国内で醸造したもののみをいいます。日本酒は日本産の原料を使用し、日本特有の醸造方法によって造られたお酒なのです。
そのため、清酒という定義のなかに日本酒が含まれると考えれば良いでしょう。
清酒と料理酒の違い
清酒と料理酒は、明確な違いがあります。市販されている料理酒には塩分が加えられていることが多く、料理酒の主原料は、米・米麹・塩が基本です。また、料理酒には甘味料や酸味料が含まれている場合があります。
また、料理酒は料理を目的として製造されているのに対して、清酒は飲用として造られている点も、大きな違いです。
しかし、清酒を料理酒として料理に使うことは可能です。清酒を料理に活用することで、食材の旨味を引き立てる、味のしみ込みをよくする、肉や魚の臭みを消すなどの効果が期待できます。また、清酒ならではの芳醇な風味をプラスすることもできます。
合成清酒とは
清酒とよく似た見た目のお酒で、「合成清酒」と呼ばれるものがあります。合成清酒は米の価値が今よりも高かった時代に「米をあまり使わずに造れるお酒」として考案されたものです。
アルコールに、糖類や有機酸類、アミノ酸類などの調味料、食塩などを混合して製造されたお酒で、清酒の香味成分を混合することで清酒に似た風味ですが、清酒・日本酒とは別物です。
清酒の種類
清酒(日本酒)は、原料や精米歩合(どのくらい米を磨くのか)などによってさまざまな種類に分けられます。
グループ | 名称 | 原料 | 精米歩合 | 香味等の要件 | ||
清酒 | 特定名称酒 | 純米酒 | 純米酒 | 米・米麴 | – | 香味と色沢が良好 |
純米吟醸酒 | 米・米麴 | 60%以下 | 吟醸造り・固有の香味と色沢が良好 | |||
純米大吟醸酒 | 米・米麴 | 50%以下 | 吟醸造り・固有の香味と色沢が特に良好 | |||
特別純米酒 | 米・米麴 | 60%以下または特別な醸造方法 | 香味と色沢が特に良好 | |||
吟醸酒 | 吟醸酒 | 米・米麴・醸造アルコール | 60%以下 | 吟醸造り・固有の香味と色沢が良好 | ||
大吟醸酒 | 米・米麴・醸造アルコール | 50%以下 | 吟醸造り・固有の香味と色沢が特に良好 | |||
本醸造酒 | 本醸造酒 | 米・米麴・醸造アルコール | 70%以下 | 香味と色沢が良好 | ||
特別本醸造酒 | 米・米麴・醸造アルコール | 60%以下または特別な醸造方法 | 香味と色沢が特に良好 | |||
普通酒 | – | – | – |
清酒は、原料や精米歩合などの要件を満たす「特定名称酒」と、要件に当てはまらない「普通酒」に分類されます。
特定名称酒
特定名称酒は、醸造アルコールの有無や香味等の特徴、精米歩合の違いによって純米酒、吟醸酒、本醸造酒にわけられます。どれも米と米麹、水を主原料とする日本酒ですが、「純米酒」は醸造アルコールを添加しない、米と米麹、水のみで造られた日本酒です。そのうち、精米歩合60%以下で吟醸造りによって造られているのが「純米吟醸酒」、精米歩合50%以下のものが「純米大吟醸酒」に分類されます。
純米酒は米の旨味、コクが味わえる日本酒です。
「吟醸酒」は、醸造アルコールを添加していて「吟醸造り」によって造られます。低温で長時間発酵させることで、フルーティな香りが特徴的な吟醸酒になるのです。精米歩合は60%以下と要件があり、50%以下のものは「大吟醸酒」とされます。
「本醸造酒」は、醸造アルコールを添加して造られ、精米歩合は70%以下の日本酒です。醸造アルコールが加えられていることから、辛口のスッキリとした味わいになります。
普通酒
特定名称酒に当てはまらない清酒は、普通酒に分類されます。
普通酒は醸造アルコールのほか、糖類や酸味料が含まれている場合があります。
清酒は種類によってさまざまな香り、味わいが楽しめます。ぜひ自分のお気に入りを見つけてみてください。
清酒の飲み方
清酒は、あたためて、冷やして、そのまま常温でとさまざまな飲み方があります。清酒の種類によっておすすめの飲み方が違うため、簡単にご紹介します。
冷や(常温)
日本酒の「冷や」とは、20~25℃程度の常温のことを指します。
純米酒など米の旨味がある日本酒は、冷や(常温)で味わってみてはいかがでしょうか。
冷酒
5~15℃に冷やした飲み方です。
どの清酒も冷やすことでおいしく楽しむことができますが、特に本醸造酒や吟醸酒など、軽い口あたりやフルーティな香りが楽しめる種類は冷やすことをおすすめします。
燗酒
清酒はあたためることで、米の旨味、甘味がより一層引き立ちます。
30~40℃程のぬる燗から、60℃の飛び切り燗まで、細かな温度帯の違いを楽しむことができます。純米酒や本醸造酒などコクのある日本酒がお燗におすすめです。
清酒の賞味期限は?
日本酒を含む清酒は、アルコールの殺菌効果によって長期間の保存が可能なため、賞味期限の表示義務がありません。
しかし、製造年月から時間が経つと味わいに変化が出てくるため、通常の清酒は製造年月から1年以内に飲むことをおすすめします。
沢の鶴おすすめの清酒
沢の鶴おすすめの清酒をご紹介します。
米だけの酒
ワンランク上のパック酒として開発された、米の旨味と軽やかな飲み口が心地よい純米酒。
米100%の無添加の日本酒で、沢の鶴のロングセラー商品です。毎日の食卓にあわせて、お好きな温度帯で楽しめます。
特別純米酒 実楽 山田錦
お酒造りにもっとも適しているといわれる酒造好適米「山田錦」のなかでも、特A地区に指定されている兵庫県三木市吉川町実楽で作った希少な山田錦を使用しています。キレの良さと芳醇な旨味が特徴的で、お燗で楽しむのもおすすめです。
- 特別純米酒
- 燗酒におすすめ
130年の絆から生まれた山田錦名産地の特別純米酒です。純米酒本来の旨みに、芳醇な香りとキレの良さが特長です。
- アルコール度数:
- 14.5度
- 飲みごろ温度:
- 人肌燗(35℃~40℃)、ぬる燗(40℃~45℃)
生酛造りのきもとさん
手間暇かけて乳酸菌を一から育てる「生酛造り」製法により、コクと旨味を引き出した本醸造酒です。ふくよかなお米の旨味、心地の良いコクとキレの良さを感じられ、冷やしても、お燗にしてもおいしくいただけます。
おわりに
清酒は米と米麹を原料にしたお酒で、お米ならではの香りや旨味を活かした清酒がたくさんあります。なかでも日本酒は米と米麹、水、醸造アルコールだけで造られていて、日本古来の伝統の技が活かされています。さまざまな種類があるのでぜひ自分のお気に入りの1本を見つけてみてくださいね。
1717年(享保二年)、灘の西郷で米屋の副業としてスタートした沢の鶴の酒造り。「米を生かし、米を吟味し、米にこだわる」酒造りは創業から300年以上も続く伝統です。
これまでにモンドセレクション世界酒類コンクールにて数々の賞を受賞。2007年には10年間連続で最高品質の商品を生産してきた企業に授与される最高栄誉賞(THE CRYSTAL PRESTIGE AWARD)も受賞するなど、日本酒業界において数々の功績を残しています。
沢の鶴はこれからも日本酒文化を大切にしながら、みなさまの毎日の食事がもっと美味しくなるお酒造りを続けていくと共に、このWEBメディア『酒みづき』を通して、より多くの方々に日本酒の美味しさや楽しみ方に関する情報をお届けしてまいります。
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※お酒は20歳になってから。お酒は楽しく適量を。飲酒運転は、絶対にやめましょう。妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児に悪影響を与えるおそれがあります。
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