こんにちは。杜氏代行の森脇と水瀬です。
11月の問題は・・・
「麹造り」に関する問題でしたね。
たくさんの回答をいただき、ありがとうございました。
今月のプレゼント当選者は・・・

プレゼント当選者は、現在、厳正なる抽選中!
当選発表は、12月15日。
しばらくお待ちください。
さあ、12月の問題には、もうチャレンジしてくれたかな?
次は、あなたが当選者かもしれませんよ!
日本酒造りの世界では、「一麹、二酛、三造り(いちこうじ、にもと、さんつくり)」という言葉があり、お酒造りの工程の中で、麹造りが一番重要なものとされています。
麹造りは、麹室(こうじむろ)と呼ばれる、室温を30~40度に制御できる部屋で行われます。
まず、約30度にした蒸米に麹菌の胞子をふりかけ、切り返し、仲仕事、仕舞仕事といった、麹をほぐしたり混ぜたりする作業を行いながら、約2日間かけて麹菌を育てていきます。
麹は米のデンプンを糖に変え、この糖を酵母がアルコールに分解することで、お酒が出来ます。
麹は他にも、米のタンパク質を分解してアミノ酸にする酵素や、酵母の増殖を促進する栄養素なども持っており、麹造りが出来たお酒の品質に大きく影響します。
麹は中国や韓国、インドネシア等、他の国でも造られていますが、日本の麹造りは他の国と異なる点が大きく2つあります。
【 問 題 】
日本と他国の麹造りの違いで、間違っているのは次の3つのうちどれでしょう?
ヒント…今回もノーヒントです・・・難易度高めですが、頑張ってくださいね!
正解は3.の「日本では米を固めて餅状にして麹を造るが、他の国では米がバラバラの状態で麹を造る。」です。
日本酒の他にも紹興酒やマッコリ等、米と麹を使った醸造酒はありますが、麹の造り方が大きく異なります。
日本では、蒸した米にコウジカビを繁殖させます。米粒のまま麹を造るので「バラ麹」と呼ばれます。
一方、他の国の麹造りは、原料となる米や麦を練って餅状にして造るので「餅麹」と呼ばれます。
さらに、餅状にする時に、加熱せず生のまま麹造りに使用します。生のまま使うことで、穀物に付いているクモノスカビが繁殖して麹が出来上がります。
日本酒造りでは蒸して殺菌されているので、種菌を使用しなければならないのに対し、他の国では生のまま使用するので種菌を使用しないのも違いの一つです。
クモノスカビは生の穀物に繁殖しやすく、胞子は灰白色で長い綿毛状、クモの巣状になります。
クモノスカビは菌の分類学ではRhizopus属なのに対し、日本酒で用いられる黄麹菌はAspergillus属のAspergillus.oryzaeであり、菌の分類学的、性質的にも異なります。
日本では日本酒の他にも醤油、味噌、焼酎、泡盛を造るのに麹が使用されますが、全てAspergillus属の菌を使って麹を造るのが特徴です。
早いもので、今年ももう12月になりました。昨年の12月には「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。
麹を使い、伝統的な造り方で造られた日本酒を飲んで、良い年をお迎えください。
杜氏代行からの挑戦状は、毎月お送りしています。
次は、あなたが当選者かもしれませんよ!