2018.11.05日本酒を知ろう

酒米の王様「山田錦」とは?日本酒造りの米・水へのこだわり

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日本酒造りの米・水へのこだわり

日本酒はお米と水で作られていますが、実は日本酒の原料となるお米は普段私たちが食べているお米と違う場合があることはご存じですか?日本酒は酒米と呼ばれる、日本酒造り専用のお米が使われていることがあります。
今回は、酒米と食用米の違いや、中でも酒米の王様といわれている「山田錦」の特徴、さらに日本酒造りに欠かせない水についてもくわしくご紹介します。

酒米とは?

酒米は「酒造好適米」もしくは「醸造用玄米」が正式名称です。文字通り酒造りのために造られたお米で、同じお米といっても食用のお米とは異なる特徴があります。

酒米は粒と心白が大きい

酒米と食用米の大きな違いは、粒の大きさと心白の大きさです。

お米の表層にはたんぱく質が多く、中心にいくほどデンプンが多く含まれています。食用の場合、たんぱく質は旨味の元となり重要な存在です。しかし、酒造りの場合はたんぱく質が多すぎると雑味の元になり、酒の香りが消されてしまいます。そこで、酒米は精米しやすくするため食用米よりも大きなサイズに育成されるわけです。
吟醸酒や純米酒のような特定名称酒のラベルには精米歩合が記載されていますが、精米歩合が70%の場合は30%ほどお米を磨き、残り70%を使って日本酒を造っているということになります。

また、心白が大きいのも酒米の特徴です。心白とは米の中心部の、デンプンが多く含まれる白色不透明な部分のことです。
粘度と強度の高い心白は、精米の過程で砕けにくく、日本酒の元である醪(もろみ)に溶け出しやすいという性質があります。そのため、心白の大きい酒米は日本酒造りに適しているのです。

全国に広がる酒米の産地

それでは、酒米にはどのような銘柄があるのでしょうか。もっとも有名な酒米は「山田錦」ですが、その他にもさまざまな品種の酒米が全国で生産されています。

例えば有数の酒どころの新潟県では「五百万石」という酒米が生産され、新潟の日本酒の代名詞「淡麗辛口」の味わいの元になっています。また、長野県は「美山錦」、岡山県は「雄町」いう酒米があり、各県の日本酒の味わいを決定づけています。

このほかにも、北は北海道から南は九州まで、さまざまな酒米が生産されています。

酒米の王様「山田錦」の特徴

酒米の王様「山田錦」の特徴山田錦が酒米の王様と呼ばれる理由は、酒造りに最適な以下の特徴をすべて網羅しているからです。
・粒が大きいため、高い精米歩合に耐えられる
・雑味の元であるタンパク質が少ない
・吸水性が良いため、麹が活性化しやすい
・良質な麹を作ることができる

なお、山田錦は全国各地で兵庫県以外でも生産されていますが、生産量は兵庫県がトップで、もっとも質が高い「特上」の等級をもつ山田錦は、兵庫県のみで生産されています。

おいしい日本酒は、水にもこだわる

灘の宮水次に、お米とともに日本酒造りに欠かせない原料である水に注目してみましょう。日本酒の成分の約80%は水なため、おいしい日本酒には水がとても重要です。
ここでは、酒造りで有名な名水をいくつかご紹介します。

〇灘の宮水(なだのみやみず)
江戸末期の天保(てんぽう)11年(1840年)に酒どころの兵庫・灘で発見された名水です。硬度約180という硬水が、キレのあるしっかりとした味わいの、灘の日本酒を造り上げています。
また、麹・酵母の栄養となるリンやカルシウム、カリウムが多く含まれており、酒造りにおいて理想的な水といわれています。

〇伏見の御香水(ふしみのごこうすい)
日本屈指の酒どころ京都伏見の名水。伏見はかつて「伏水」と呼ばれていたほど、上質な地下水が豊富な土地で、古くから多くの銘酒がこの水から造られてきました。口あたりの良さが特徴で、ミネラルがバランスよく含まれている酒造りに適した水です。

〇富士山の伏流水(ふじさんのふくりゅうすい)
南アルプスの雄大な自然の中で育まれた富士山の伏流水は、ミネラルの含有量が穏やかな軟水です。こんこんと湧き出る清らかな水は、軽やかな口あたりが特徴。フルーティーな香りを特徴とする、静岡県の吟醸酒造りに欠かせない名水です。

おわりに

今回は、日本酒の原料である酒米・水に焦点を当ててお伝えしました。原料が限定される日本酒だけに酒米、水ともにその選び方ひとつで、日本酒の味が大きく左右されます。
自分の好みの日本酒に出会うには、日本酒の種類や銘柄などさまざまな観点がありますが、酒米と水を手掛かりに日本酒を探してみることもおすすめです。ぜひ原料や産地にも注目して日本酒を選んでみてください。

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酒みづき編集部

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