2019.01.14日本酒を知ろう

日本酒造りにおける「酵母」のはたらきとは?酵母の役割と種類について

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日本酒の酵母とは
酵母が日本酒造りにおいて、どのような役割を果たしているかはご存じですか?醸造過程で必要不可欠である上に、日本酒の香り、味わいにも密接に関係する酵母。
今回は、日本酒造りにおける酵母の役割や、種類についてご紹介します。

酵母とは?

酵母は菌類の一種で、広く見ればカビの仲間です。
発酵食品が発酵するためには酵母が必ず必要で、日本酒以外にも味噌やしょうゆ、ぬか漬けなどの漬物、パンやチーズも酵母の力で発酵します。

酵母には数多くの種類があり、用途に合わせて使い分けられますが、特に日本酒造りの際に用いられる酵母のことを「清酒酵母」と呼びます。

日本酒造りにおける酵母の役割

酵母の役割
日本酒造りにおいて、酵母は大きく分けて「アルコール発酵」と「香りの素」、2つのはたらきをします。

アルコール発酵

酵母は生き物ですから、食べ物を食べて生きています。酵母の餌となるのが、糖分です。お米に含まれる糖分を餌にして成長と分裂を繰り返していくのですが、その際に排出されるのが「アルコール」です。つまり、日本酒にアルコールを発生させるためには、酵母の力が必要というわけなのです。

日本酒の香りの素になる

酵母の役割はアルコールを生み出すだけではありません。日本酒ならではの、豊かな香りの素になるという重要な役割も果たしています。

酵母は、糖分を食べてアルコールを排出する際、アルコールの他に、炭酸ガスも排出します。酵母から排出されたアルコールと炭酸ガスに含まれる主成分に「カプロン酸エチル」「酢酸イソアミル」といったものがありますが、実はこの成分はリンゴやメロン、バナナなどの香り成分に含まれているものです。

米と米麹で造られた日本酒から、まるで果物かのようなフルーティな香りがする理由は、この成分によるところが大きいのです。

日本酒に使われる酵母の種類

酵母の種類
先ほど、日本酒造りには清酒酵母と呼ばれる酵母が使われることはお伝えしましたが、一口に清酒酵母といっても、実は多様な種類があります。酵母の種類によって、出来上がる日本酒の味わいや香りにも変化がでてきます。

使用している酵母の種類が記載されている日本酒もありますが、酵母という着眼点で日本酒を選んでみるのも楽しいでしょう。それでは、代表的な清酒酵母を見ていきましょう。

きょうかい酵母

きょうかい酵母は「日本醸造協会」が各蔵に頒布している清酒酵母です。協会が頒布する酵母なので、きょうかい酵母というわけです。発酵力の高さや品質の良さ、そして何より各蔵で酵母を培養する必要がないため、多くの酒蔵で採用されています。

きょうかい酵母にも数多くの種類がありますが、多く使われているのが「きょうかい7号」と「きょうかい9号」です。きょうかい7号は、華やかな香りにその特徴があります。きょうかい9号は、吟醸香の高さと醪(もろみ)の熟成期間が短期間で済むという点が強みになっています。

蔵つき酵母

蔵つき酵母は、各蔵の建物や床、壁、樽などに自生している酵母です。家つき酵母とも呼ばれています。

蔵つき酵母は土着の酵母を蔵自ら培養しなければならない手間や、さらに年によって、または樽によっても味が安定しないというデメリットがあります。
そのため、かつては主流でしたが、きょうかい酵母の普及とともに徐々に採用する蔵が減っているのが現状です。ですが、蔵つき酵母は文字通り、その蔵だけの酵母ですので、きょうかい酵母にはない蔵独自の味わいや、香りを生み出すことができます。

また、蔵つき酵母とは別に、酒造会社が独自で開発した酵母「自社酵母」を使っている酒造・銘柄もあります。

おわりに

今回は、日本酒造りに欠かせない酵母に焦点を当ててお伝えしました。日本酒が好きな方の中でも、酵母に注目しているという方は少ないのではないでしょうか。普段は目立たない存在ですが、実は日本酒造りにおいてなくてはならない存在の、酵母。縁の下の力持ちである酵母に注目して日本酒を選べば、もっと奥深い日本酒の世界を垣間見ることができるかもしれません。

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酒みづき編集部

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