2018.12.31日本酒を知ろう

日本酒の古酒(長期熟成酒)とは?味わいの変化を楽しもう

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日本酒の古酒(長期熟成酒)とは

「古酒(長期熟成酒)」と聞いて、どのようなお酒を思い浮かべますか?ワインのビンテージ物や年代物のウイスキー、あるいは何十年も寝かされた泡盛が思い浮かぶ方は多いかもしれません。
実は、日本酒にも古酒があります。古酒とは、どのようなお酒のことを指すのでしょうか。今回は、古酒(長期熟成酒)の定義や魅力についてお伝えします。

古酒(長期熟成酒)はどんなお酒?

古酒は、長期間熟成することで色や香り、味わいの変化を楽しめるお酒です。

古酒の定義

日本酒の古酒の普及・技術向上を主目的に設立された「長期熟成酒研究会」では、「満3年以上酒蔵で熟成させた、糖類添加酒を除く清酒」と定義されています。

とはいえ、吟醸酒や純米酒などの「特定名称酒」のように、酒税法上の厳密な決まりはありません。また全国でも、日本酒を古酒として熟成管理している酒造会社は限られておりますが、独自のルールや定義づけの中で長期熟成した日本酒を、古酒と呼んでいます。

長期熟成の期間

古酒の熟成期間熟成の期間は、酒蔵や銘柄によってまちまちです。熟成期間2年の古酒もありますし、熟成期間10年以上、中には昭和40年代からじっくりと熟成させた古酒もあります。

日本酒の古酒はこのところ、肉や魚の“熟成ブーム”により、徐々に市場規模を拡大してきており、まだまだ可能性を秘めた酒質です。

熟成タイプ

日本酒の古酒は、種類や熟成方法、熟成年数によって大きく「濃熟タイプ」「中間タイプ」「淡熟タイプ」の3タイプに分けることができます。

・濃熟タイプ…本醸造酒、純米酒。熟成温度は常温熟成。熟成を重ねるにつれ、照り、色、香り、味が劇的に変化、風格を備えた個性豊かな熟成古酒。

・中間タイプ…本醸造酒、純米酒、吟醸酒、大吟醸酒。熟成温度は低温熟成と常温熟成の併用。低温熟成から常温熟成へ、またはその逆の貯蔵法により、濃熟タイプと淡熟タイプの中間の味わいを実現した熟成古酒。

・淡熟タイプ…吟醸酒、大吟醸酒。熟成温度は低温熟成。吟醸酒の良さを残しつつ、ほどよい苦みと香りが渾然一体となった、幅のある深い味わいの熟成古酒。

(引用:長期熟成酒研究会)

熟成によって変化する味わい

熟成によって変化する味わい日本酒の古酒は熟成によって、新酒のときとはまったく違う味わいに変化します。新酒とのもっとも大きな違いは、「熟成香」と呼ばれる特徴的な香りと、琥珀色ともいえる「色」です。

熟成香は熟した果実のような香りで、熟成年数が長くなるほど増します。人によっては「香りが強すぎる」と感じる場合もあるため、慣れないうちは熟成年数の浅いものから選ぶことをおすすめします。

古酒は、長期間貯蔵する間に造り手も驚くような変化を遂げることがあります。例えば、荒々しい味わいだったお酒を熟成することで、琥珀色に色づき、香りは甘く濃厚になり、なめらかな口あたりになるのです。
甘味、酸味、旨味などの日本酒を構成するバランスの良さはそのままに、熟成によってより深い味わいに変化していきます。

温度で変わる味わい

飲むときの温度帯によっても、味わいの変化を感じることができます。淡熟タイプは、10~15度位に冷やして。濃熟タイプ・中間タイプは、常温で楽しめます。

さらに、お燗にすると古酒ならではの熟成香と豊かな味わいが広がります。おすすめは、40~45度の「ぬる燗」。
逆に、熟成香が強すぎると感じる場合は、少し冷やして飲んでみてください。
ただし、冷やしすぎると熟成香が飛んでしまいます。同様に、熱しすぎても香りが飛び、味わいのバランスが崩れてしまう場合があります。少しずつ温度変化を楽しんで、自分の好きな古酒の温度を見つけてみてください。

古酒の個性豊かな味わいは、濃厚な料理と合わせるとより楽しむことができます。中でも、濃熟タイプは豚の角煮やうなぎ、フォアグラなど脂の多い料理と、中間タイプは酢豚や牛しゃぶしゃぶなど酸味や甘みが特徴的な料理、淡熟タイプはグラタンやチーズなど旨味のある料理と好相性です。

おわりに

日本酒の古酒(長期熟成酒)は、実は江戸時代以前は一般的だったということが読み取れる文献も残っていますが、時を経るにつれてなくなっていきました。それが近年、古酒の良さが見直され、徐々に市場規模を拡大しています。ぜひさまざまな楽しみ方で、日本酒の古酒の魅力を知ってください。

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酒みづき編集部

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