2019.01.02日本酒を知ろう

日本酒は生きもの!日本酒造りにおける麹菌の役割とは?

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日本酒造りにおける麹の役割

日本酒のラベルに書かれている原料「米」と「米麹(こめこうじ)」。この米麹がどのようなものか、どのような役割を果たしているのかご存じですか?日本酒は製造過程において、麹菌・酵母菌の力を借りて生きもののように育ち、おいしいお酒に成長します。今回はこの「麹菌」についてご紹介します。

日本酒に含まれる麹とは?

麹は米や麦、大豆といった穀物にカビの一種である「麹菌」を繁殖させたものです。

日本酒のほかにしょうゆ、味噌など日本の食卓に欠かせない食品が麹を原料としています。少し前ブームになった塩麹は記憶に新しいですが、これは塩と米麹、水で造られたものです。なお、日本酒造りにおいて麹といえば、米麹を指します。

麹は日本酒を造るうえでなくてはならない存在です。なぜなら日本酒はしょうゆ、味噌などと同様に発酵食品であり、発酵するためには麹が必要不可欠だからです。

麹菌の役割

麹菌の役割日本酒は酒米を蒸し、ただ水と一緒にタンクに入れるだけでは、アルコール発酵することはありません。
ワインは、極端にいえばブドウを潰してそのまま放置しておくことで自然とアルコールが発生します。これは原料のブドウがもつ糖が発酵してアルコールになるわけですが、日本酒の場合、蒸米と水を入れ、放置したままではアルコールは生み出されません。

それでは、どのようにして米からアルコールを造るかというと、ここで麹が大きな役割を果たします。

お酒の原料であるデンプンを糖化する

アルコール発酵のためには、米のデンプンを糖に変えなければなりません。そのデンプンを糖に変えるのが「麹菌」の役割です。麹菌がデンプンを糖に変えた後、今度は「酵母菌」が糖をアルコールに変化させることにより、日本酒ができるのです。

デンプンはブドウ糖が連なってできているもので、アルコールにするにはその連なりを絶ってブドウ糖単体にする必要があります。麹はブドウ糖とブドウ糖が連なっている部分を切るはたらきをします。これを「糖化」といいます。

この過程がなければ米から「日本酒」を造ることはできません。

お酒の旨味の素になる

また、日本酒の味わいを造るうえでも麹菌は大きな役割を果たしています。麹は「タンパク質分解酵素」をもっていて、米のタンパク質をアミノ酸に変化させる役割を担っています。タンパク質から分解されて生成されたアミノ酸は、日本酒のコクや旨味の素になるのです。

麹造りで大切なこと

麹造りは温度管理が重要麹菌は、適切な環境以外では生まれることも生きていくこともできないほど繊細な性質をもっています。それだけに、繁殖しやすい環境を整えることがとても大切です。

麹菌は呼吸をしている!温度管理が重要

麹菌を米に付着させ、米の中で麹菌を繁殖させる麹造りの工程は、「製麹(せいきく)」とも呼ばれます。
製麹においてもっとも重要なのは、適切な温度管理です。麹菌の繁殖適応温度は30~40度といわれています。15度以下でははたらかなくなり、50度を超えると死滅してしまいます。つまり、適切な温度管理が麹菌の繁殖には非常に重要なのです。

温度管理といっても、エアコンで一定の室温にしていれば良いということではありません。麹菌は生きていて、呼吸をしながら繁殖します。呼吸の際には、熱と炭酸ガスを発生するため、放っておくと温度は上がり続け、やがて死滅してしまいます。また、炭酸ガスを放出しますので、適度に空気を入れ替えないと酸素不足になり、繁殖できなくなってしまうのです。
そのため、製麹は保温・換気・適切な湿度管理ができる部屋で行われる必要があります。

麹造りの期間は、蒸米を混ぜ込んで保温(床もみ)、ほぐして放熱(切り返し)、再び混ぜ込み保温、麹菌の繁殖によって温度が上がったら放熱という作業を繰り返します。
麹造りに要する時間は二昼夜(約48時間)。この間は、常に繁殖適応温度をキープできるよう注意が必要なのです。

おわりに

麹は、日本酒を造るうえでなくてはならない存在なのはもちろん、そのはたらきによって日本酒のコクや旨味を生み出しています。麹菌の役割やはたらきに目を向けることで、新たな日本酒の見え方ができるのではないでしょうか。

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酒みづき編集部

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