これが免震構造だ

大石蔵の免震構造のすべて


監修:(株)大林組


一般的に木造建築物に免震システムを適用しようとした場合、鉄筋コンクリート造りや鉄骨造りの建築物と比較して次のような問題点が挙げられています。
  1. 単位面積当たりの重量が鉄筋コンクリート造りの5〜6分の1程度、鉄骨造りの3〜4分の1程度と極めて軽く、また柱の数も多いため、柱ごとに免震ゴムを設置する従来のシステムでは充分な効果が得られない

  2. 軽い構造物に効果を発揮する小さく・柔らかい免震ゴムを採用すると、大地震が発生した際ゴムの変形限界に対する余裕が少なくなり、免震機能を損なう恐れがある

■今回のシステムの特長

今回採用されるシステムは

  1. 木造建築物の補強技術
  2. 1階の床組工法
  3. 免震装置のフェイルセーフ機構

 の3つの要素で構成されています。概要は次の通りです。

図解(1)木造建築物の補強技術
木造建築物を鉄骨フレームと鉄骨筋違いで補強しています。

(2)1階の床組工法
●建物1階の床下にコンクリートの床・梁を新たに設置し、各柱の重量をこの床・梁を介して免震装置に負担させるようにしています。この結果、建物の四隅に必要最小限の免震ゴムを設置するだけで建物を支えることが可能となり、充分な免震効果が得られることになりました。

●文化財を対象としたシステムであるため、特に耐久性について配慮しました。建物1階床には高品質なプレキャスト型床を、また1階床下の梁にはプレストレストコンクリート製の梁を採用することで、ひび割れのない耐久性に優れた構造を実現しています。

(3)免震装置のフェイルセーフ機構
大震災時に万一免震ゴムが変形限界を超えた場合でも、免震機能が損なわれず建物が損傷しないよう、フェイルセーフ機構「ソフトランディング」を採用しています。

これらの特長を持つ「木造免震システム」の採用により、震度7以上の地震が発生しても「沢の鶴資料館」が受ける地震の強さは約3分の1以下に軽減され、文化財としての価値を維持することができます。
また建物だけでなく、内部に収蔵した展示品の損傷も防ぐことができます。


[これが免震構造だ]

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